マーケティングを効率的に!アップリフトモデリングを活用したターゲティング

こんにちは!
IT企業に勤めて、約2年間でデータサイエンティストになったごぼちゃん(@XB37q)です!

このコラムでは、アップリフトモデリング(Up lift Modeling)と呼ばれるマーケティングで使われる手法を紹介します!
アップリフトモデリングとは、マーケティング施策を効率化するためにターゲティング精度を高める手法です。

アップリフトモデリングとは

アップリフトモデリングとは
アップリフトモデリングとは

アップリフトモデリングとは、マーケティング施策を効率化するためにターゲティング精度を高める手法です。

例えば、サービスを展開する時にクーポンを配布する施策を実施したいと考えます。
その場合、施策実施前より施策実施後にサービス利用者を増やすことが目的ですが、配布するクーポンの費用の単価が高い場合、全ての人にクーポンを配布すると、費用が高くなる一方になりあまり有効な施策ではなくなります。
そのため、クーポンを配布することにより、サービスを利用しやすくなる利用者に対して、クーポンを配布することが必要になります。
この例のように、クーポンを配布する利用者を検討するために有効なのが、アップリフトモデリングです。

アップリフトモデリングは、マーケティング施策の結果を分析に使うデータとすることが多いです。
そのため、A / Bテストと呼ばれる考え方を応用して、分析を行います。
A / Bテストについては、他コラム「カイ二乗検定を使ってできる!A / Bテストとは?」をご覧ください。

利用者を区別する必要性

利用者を4つへ区別
利用者を4つへ区別

アップリフトモデリングが考えられる前の分析では、施策を実施した後に、サービスを利用した人と利用しなかった人の違いを分析していました。
しかし、これには利用者の区別を正確にすることが出来ていなかったため、有効な分析ができていないという課題がありました。
その課題とは、施策を実施する / 実施しないにかかわらずサービスを利用する人がいるという区別が出来ていなかったのです。

アップリフトモデリングでは、利用者を正確に区別することにより、従来の課題を解決しています。
施策実施前と施策実施後の購入者を整理すると、4つの利用者に区別が出来ます。

  • 鉄板:クーポンを配布しなくても、購入する利用者
  • 説得可能:クーポンを配布することにより、購入するようになる利用者
  • 天邪鬼:クーポンを配布することにより、購入しなくなる利用者
  • 無関心:クーポンを配布しても、購入しない利用者

施策を行うことで、購入しない人が購入する利用者である「説得可能」には、クーポンの配布が有効であると言えます。
また、施策を行うことで購入しなくなる利用者である「天邪鬼」には、クーポンの配布有効でなく、むしろマイナスと言えます。

つまり、アップリフトモデリングで施策の効果を図るためには、下記のように計算をする必要があります。

アップリフトモデリングで求める値
アップリフトモデリングで求める値

これで、クーポンを配布することによって、どれだけ確率が増えるのかを検証することが出来ます。
ちなみに、リフトは持ち上げ確率とも呼ばれているため、アップリフトと呼ばれています。
リフト値の説明は、他コラム「アソシエーション分析を使えば第2のビールとおむつの関係が分かる?!」をご覧ください。

AIモデルの構築方法

それではどのように利用者を区別するのでしょうか?
AIモデルを使用した利用者の区別方法には、下記の2パターンが存在します。
統制群はクーポンを配布しないグループ、実験群はクーポンを配布するグループとします。

  • 統制群と実験群のそれぞれでAIモデルを構築する(2種類のAIモデルを構築)
  • 統制群と実験群を含めてAIモデルを構築する(1種類のAIモデルを構築)

統制群と実験群のそれぞれでAIモデルを構築する

統制群と実験群のそれぞれでAIモデルを構築
統制群と実験群のそれぞれでAIモデルを構築

施策を実施した場合の購入確率を予測するAIモデルと、施策を実施しない場合の購入確率を予測するモデルをそれぞれ構築し、それぞれの予測値の差分をとることにより、購入確率の変化を見る方法です。
そして、購入率が上がる利用者に対してクーポンを配布します。

つまり、実験群と統制群のそれぞれでAIモデルを構築するため、2種類のAIモデルを構築することになります。

式で記載すると下記にようになります。
顧客を表す項目 $x$ を説明変数とし、介入する場合の利益 $Y1$ を予測するモデルと、介入しない場合の利益 $Y0$ を予測するモデルを構築し、それらの予測値 $\hat{μ}_{1}(x)、\hat{μ}_{0}(x) $ の差分が、利益の増加分 $t^(x)$ となります。

$$ u_{1}(x) = E(Y_{1}|X=x)$$

$$ u_{0}(x) = E(Y_{0}|X=x)$$

$$ \hat{t}(x) = \hat{u}_{1}(x) – \hat{u}_{0}(x) $$

統制群と実験群を含めてAIモデルを構築する

統制群と実験群を含めてAIモデルを構築
統制群と実験群を含めてAIモデルを構築

「利益の増加分が大きくなるか?」という基準で、AIモデルを構築する方法です。
そして、利益増加する利用者だけにクーポンを配布します。

1種類のAIモデルのみを構築することになります。
介入有無を説明変数に採用します。

式で書くと下記のようになります。
顧客を表す項目 $x$ と、介入有無を表す項目 $z(z=1 は介入あり、z=0 を表す)$ を説明変数とし、利益 $Y$ を予測するモデルを構築します。
介入する場合の予測値 $ \hat{u}(x,Z=1)$ と介入しない場合の予測値  $ \hat{u}(x,Z=0)$   の差分が、利益の増加分 $t^(x)$ となります。

$$ u(x,z) = E(Y=X=x,Z=z) $$

$$ \hat{t}(x) = \hat{u}(x,Z=1) – \hat{u}(x,Z=0) $$

分析方法のメリットとデメリット

  • 介入群とテスト群のそれぞれでAIモデルを構築する(2種類のAIモデルを構築)

メリット:簡単なモデルを構築できる
デメリット:モデルを別々に構築すると、スコアの尺度が異なることがあり、確率を向上させるデータが何かを特定できない場合がある

  • 全データを含めてAIモデルを構築する(1種類のAIモデルを構築)

メリット:確率を向上させるデータを特定しやすくなる
デメリット:複雑なモデルになる可能性もある。例えば、ロジスティック回帰分析を使う場合、利用者情報と施策の相互作用を表す項目が必要

まとめ

  • アップリフトモデリングとは
    • マーケティング施策を効率化するためにターゲティング精度を高める手法
  • 利用者は4つへ区別できる
    • 鉄板:クーポンを配布しなくても、購入する利用者
    • 説得可能:クーポンを配布することにより、購入するようになる利用者
    • 天邪鬼:クーポンを配布することにより、購入しなくなる利用者
    • 無関心:クーポンを配布しても、購入しない利用者
  • 方法
    • 方法①:利用者ごとに確率を予測
    • 方法②:グループを判断する

参考書籍

マーケティングを効率的に!アップリフトモデリングを活用したターゲティング” に対して1件のコメントがあります。

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